おすすめのサスペンス映画『哭声/コクソン』のご紹介です。(ネタバレなし)
「疑え。惑わされるな。」
韓国映画界の最高峰、青龍映画賞も受賞しカンヌ国際映画祭にも選ばれ大ヒット!
二転三転する惹き込まれるストーリーや鑑賞後の考察を楽しみたい人必見の印象的な作品です。 ※最下部に解説と考察の記事のリンクを掲載しています。
作品情報 | |
監督・脚本 ナ・ホンジン 公開 2017年(日本) 上映時間 156分 |
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主なキャスト | |
クァク・ドウォン | 妻子持ちの少し頼りない警察官ジョング |
國村隼 | 謎の日本人 彼が村に来てから次々と怪事件が起きるようになる |
チョン・ウヒ | 村でおきた凄惨な事件の目撃者ムミョン |
ファン・ジョンミン | 悪霊を成敗するためにジョングに雇われた祈祷師の男イルグァン |
キム・ドユン | ジョングの同僚の甥で教会の助祭を務める男イサム |
『哭声/コクソン』のあらすじと感想
【あらすじ】
物語の舞台は韓国の片田舎、谷城(コクソン)
ある日、1人の男が自分の家族を惨殺する事件が起きる
逮捕されたその男は謎の湿疹を発症しており茫然自失でどこか様子がおかしい。
そしてその翌日の夜
今度は別の村人が家族を刺し殺し自宅に火を放つ
いったいこの村で何が起きているのか・・・
村の人達がおかしくなったのは日本人の男が移住してきてから。
この日本人は本当に人間なのか?
韓国の若きヒットメーカー、ナ・ホンジン監督が贈る異色のサスペンス
予告動画です
異色のストーリー展開
おすすめのサスペンス映画『哭声/コクソン』の感想ですが、
上映時間が約2時間30分もあるのでちょっと長いですが、内容が難解なこともあってかなり印象に残る作品でした。
鑑賞後に色んな人の考察を調べてまわるのも楽しめますし、難解なだけじゃなく娯楽作品としても十分優れた作品です。
物語は全体的に暗い雰囲気なんですが、ところどころコメディーっぽいやりとりがあったり、途中からホラーになったり、
よくわからない方向に物語が進んで行ったりするので、観客を飽きさせないよう良い意味で混乱させてくれます。
監督は『チェイサー』の大ヒットで知られるナ・ホンジン。
サイコパスな犯罪者と元警官の男の追走劇を描いた『チェイサー』では恐ろしいほどリアルな現実を表現していました。
ですが、今回の『哭声/コクソン』では、リアルとは一見ほど遠い、悪霊や祈祷師といったオカルト的な要素を含んでいます。
聖書ネタと散りばめられた伏線
この物語は聖書の一節からスタートします。
人々は恐れおののき 霊を見ていると思った
そこでイエスは言った
なぜ心に疑いをもつのか
私の手や足を見よ まさに私だ 触れてみよ このとおり肉も骨もある引用:ルカによる福音書24章37‐39節
ナ・ホンジン監督はキリスト教徒で、この物語には聖書ネタが色々と散りばめられています。
伏線が多く、観終わった後にもう一度観返して楽しむことも出来るのもグッドです。
それと本作は、約2年8か月のシナリオ作業を経て、約6か月の撮影期間、約1年の編集作業を経ての作品ですから、まさに全身全霊を込めて創られたそうですよ。
なんかこんな感じで紹介すると、オカルト要素の強いホラー作品みたいな印象になってしまうかもしれませんが、サスペンスが好きな人はきっと気に入ると思います!
特に後半40分くらいからは、どんどん物語が盛り上がってくるので必見です。
余談ですが、伏線が多い作品だったら『シックス・センス』や『カット/オフ』も傑作なのでぜひご覧ください!
怪演の國村隼
また、よそ者の日本人を演じた國村隼さんが良い味出してます。
今まで彼のことをあまり知らなかったのですが、こんなに凄い演技をする人なんだと驚きました。
ナ・ホンジン監督が、怪しい謎のよそ者として日本人の國村隼さんを選んだことで、一部の人達は「反日映画だ!」と過剰に反応していますが、そんなことは全くありません。
監督曰く、「外見は一緒で見分けるのは難しいけど異質な存在」という意味で、日本の俳優を使おうと決めたそうですよ。
タイトルの意味
ちなみにタイトルの『哭声/コクソン』の意味ですが、原題は곡성(コクソン)で谷城という実際にある韓国の地名です。
※この映画の大ヒットで観光客が8割も増えたそうですよ
これを漢字にした哭聲(哭声)には「泣き叫ぶ」という意味があるので、この2つをかけているみたいですね
英題は『THE WAILING』になっており、これまた和訳すると同じような意味の「嘆き」となっています。
- オカルト要素のあるサスペンスが好きな人
- 鑑賞後の考察が好きな人
- ダークな感じを楽しみたい人
- 伏線や小ネタが多い映画が好きな人
『哭声/コクソン』の評価
哭声は「名作」という事以外は何の情報も無い状態で、DVDのジャケット写真からてっきり人間ドラマかと思い込んで見たら完全に騙されてて、見終わってからさらに騙された事に気付いて、こりゃ確かに名作だと思ったね。カメラは真実しか映してなかった。
— ぽにか (@isenikano) February 9, 2019
『哭声/コクソン』 映像がとにかく映画的で最高。テーマはキリスト教が関わってるぽいけど、正直よくわからん。まあ、韓国映画ならではの叫び芸、血まみれ芸、コケ芸、それから二転三転するストーリーで充分楽しめた。凄腕祈祷師vs國村準の遠隔お祓いバトルの訳わからん盛り上がりよ!
— sou (@harasou) 2019年7月3日
コクソン観た。クソおもしろい。怖すぎ。
— ザック (@zackzaaaack2) 2019年6月30日
などなど 難解なので好き嫌いが分かれますが、好きな人には凄く高評価です。
ネットでも話題になってますが祈祷師のお祓いシーンは特に必見です。
ぜひ、あなたも『哭声/コクソン』を楽しまれてくださいね。 きっと國村隼さんのイメージが変わると思います(笑)
こちらに解説と考察をまとめているので本作の鑑賞後にどうぞ。
最後までお読みいただきありがとうございました。