おすすめのサスペンス映画『ガタカ』のご紹介です。(ネタバレなし)
DNAの運命には逆らえない?
決してあり得ない話ではない遺伝子操作による格差社会を、美しい映像と感動のストーリーで描いた色褪せない名作。
作品情報 | |
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監督・脚本 アンドリュー・ニコル 公開 1998年(日本) 上映時間 106分 |
主なキャスト | |
イーサン・ホーク | DNAの欠陥をもって生まれた男ヴィンセント |
ジュード・ロウ | 超ハイスペックなDNAを持つが、事故で車いす生活の男ジェローム |
ユマ・サーマン | ヴィンセントの同僚 |
ローレン・ディーン | ヴィンセントの弟で有能DNAのアントン |
ザンダー・バークレー | 医者のレイマー |
アラン・アーキン | 捜査官のヒューゴ |
『ガタカ』のあらすじと見どころ
舞台は胎児の遺伝子操作が当たり前になった近未来の世界。
良質なDNAを持っていない者は不適正者と呼ばれロクな職業にも就けなかった。
宇宙飛行士を夢見るヴィンセントもそんな不適正者の一人。
努力だけではどうしようもない残酷な現実に打ちのめされるヴィンセント。
しかし、ある日ジェロームという車いす生活の男に出会う。
完璧なDNAを持つジェローム。
ヴィンセントはジェロームの協力を得て、DNA詐称をし宇宙飛行士を目指すことに。
全てがうまくいくと思えた矢先に彼の周囲で殺人事件が起きてしまう。
事件の捜査が進むにつれて、疑いの目は彼に向かうのだった。。。
予告動画です。字幕なしですが雰囲気は伝わると思います。
鑑賞後の余韻が素晴らしいストーリー
おすすめのサスペンス映画『ガタカ』ですが
本作はSF要素もあってストーリーもハラハラしたりする部分もあるのですが、一番の見どころはヒューマンドラマ的な要素です。
その重要人物が主人公のヴィンセント。
彼は生まれながらにしてDNA検査で以下のように判断されてしまいます。
- 神経疾患の発生率60%
- 躁うつ病の発生率42%
- 注意力欠如89%
- 心臓疾患の発生率99%
- 推定寿命30.2歳
見た目は本当普通なのですが、家族や周囲に宇宙飛行士になりたいと夢を語っても、無理だと一蹴されたり世間から差別されて生きています。
そんな彼がDNAの運命に抗って宇宙に行こうとする物語なのですが、これがまた凄く素敵なんです。
「僕に何ができるか決めつけるな」
そう言った、彼の生き様や周囲の人達の言動も考えさせれる点が多いのでぜひ注目してください。
現代社会で生きている私たちにも共感できる部分がきっと出てくると思います。
それに終盤に向かうにつれて、心に残るような名場面も多々あり、鑑賞後には何とも言えない余韻に浸れる味わい深い作品です。
また、本作は何回か繰り返し観て、さらに新しい発見や好きなポイントが見つかるといったスルメ映画でもあります。
現実になりつつある『ガタカ』の世界
本作を観る上で知っておいてほしいのが、この物語は決して夢物語な話ではないという点です。
実際に、この物語のように遺伝子操作により優れた人間を創造する、いわゆるデザイナーベビーの技術は倫理的な問題も抱えながら確実に進歩しています。
遺伝子操作で生み出されたルルとナナ
2018年の12月。
中国の生物物理学者、賀建奎(フー・ジェンクイ)は遺伝子操作を施した双子の女児ルルとナナの誕生に成功したと発表しました。
彼の研究目的は、HIV耐性をもつ子供を誕生させること。
この研究は倫理的に問題があるとして世界中から批判され、その後彼は2019年1月を最後に学会の表舞台から去りました。
賀建奎には2020年に懲役3年の実刑判決が言い渡されましたが、双子の女児ルルとナナの現在については未だ情報が明かされていません。(2021年11月時点)
移植に適合する救世主ベビー
他にも
身近な例としては自然妊娠ではなく、意図的に体外受精を選ぶ人もいます。
そうすることで、どの受精卵が病気のリスクを抱えているか診断し、そういったリスクがない受精卵だけを選んで着床させたりするそうです。
また、移植に適した型の受精卵だけを選別して病気で苦しむ家族を助ける救世主ベビーとして誕生させたりする人もいるというから驚きです。
これらの方法は非常に高価で、国によっては倫理面から禁止されているため一部の人だけしか利用できないのできません。
しかし、近い将来、それこそ本作のようにDNA的に優秀な選ばれた人間と、そうでない一般人との差別が起こるのではないかと懸念している学者もいるとのことです。
実際に現代ではこういった事実があるので本作の世界は、ある意味リアリティのあるSFとなっています。
こんな人に特におすすめ
- 一生懸命努力している人
- 余韻が残る映画が好きな人
- 考えさせられるストーリーが好きな人
- 宇宙が好きな人
『ガタカ』の評価
先輩から借りた映画『GATTACA(ガタカ)』を観たんだけどめちゃくちゃおもしろかった…!!緊張と悲しみが溢れてて苦しい話だけど、細かいところまで全部美しかった、名作だ
— 焼き餃子 (@yaki___gyoza) December 29, 2020
悲しい事や辛い事があると『ガタカ』を観るようにしている。
— Janek Chenowski (@chenowski) 2019年2月6日
ジュードロウの出演作で一番好きなのが『ガタカ』。遺伝子の優劣によって差別される未来の世界の話。
ラストシーンには胸がいっぱいになります。 pic.twitter.com/wc1UQDf5Kz— R (@Lica_screen) 2018年11月25日
などなど
ネットで調べると他にもみなさん鑑賞後の余韻が良いという声が多かったです!
ちなみに原題のGattacaのG、A、T、CはDNAの基本的な物質の頭文字からとっているらしいですよ。
ぜひ、あなたも『ガタカ』を楽しまれてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。