『ブラッド・ダイヤモンド』映画(ネタバレなし)‐実話が題材の社会派サスペンス。

ブラッド・ダイヤモンド

おすすめのサスペンス映画『ブラッド・ダイヤモンド』のご紹介です。(ネタバレなし)

ダイヤモンドに隠されたもうひとつの顔とは?

実話を題材にしたヘビーなテーマとは裏腹にエンターテインメント性も抜群で予備知識なしでも楽しめる作品です。

作品情報
ブラッド・ダイヤモンド 監督
エドワード・ズウィック
脚本
チャールズ・リーヴィット
公開
2006年
上映時間
143分
主なキャスト
レオナルド・ディカプリオ
役柄:元軍人のダイヤモンド密売人アーチャー
ジャイモン・フンスー
役柄:家族と引き裂かれた漁師ソロモン
ジェニファー・コネリー
役柄:ジャーナリストのマディー
アーノルド・ヴォスルー
役柄:アーチャーの元上官コッツィー大佐

『ブラッド・ダイヤモンド』は実話?

結論から言うと映画『ブラッド・ダイヤモンド』は登場人物や企業(モデルあり)は架空ですが、当時の状況や抱えている問題は実話です。

あらすじがこちら。

【あらすじ】

舞台は紛争が続くアフリカのシエラレオネ
物語はある3人の男女を中心に紡がれていく
稼いでアフリカから抜け出したいダイヤ密売人のアーチャー
ピンクダイヤの在りかを知るが、反乱軍に家族をさらわれた男ソロモン
紛争ダイヤの闇を暴こうと奮闘する女性ジャーナリストのマディー
それぞれの思惑を胸に秘め、血塗られたダイヤモンドを巡る物語が今はじまる。

予告動画です。

現実にあるブラッド・ダイヤモンド

舞台となったアフリカのシエラレオネでは作中でも描かれていたように、反政府組織RUFによる略奪や襲撃、強制労働や少年兵などが国際的にも問題となっていました。

これらの問題を長引かせていたのが、資金源であるダイヤモンドの存在だということをあなたはご存知でしょうか?

この紛争は2002年に終止符が打たれましたが、今もなお体や心に癒えることのない傷を負った多くの人達が苦しんでいます。

そして、国際機関はこのような悲しい歴史を繰り返さないように、ダイヤモンドが紛争地域の資金源にならないように輸出入を管理する「キンバリープロセス」を同年制定しました。

このような悲惨な現実が背景にある本作ですが、

こんな残酷な現実を描写しながらも、サスペンスとしても面白く、鑑賞後に暗い気持ちになることもなく、観てよかったなと思える作品です。

反政府組織RUFとアパルトヘイト

1987年にアハメド・フォディ・サンコーが設立した反政府組織RUFは、本作同様に現実でもシエラレオネ東部のダイヤモンド鉱山を管理しており、密売で資金と武器を確保しクーデターや破壊行動を繰り返していました。

また当時は1948年から強力に推進され1994年に廃止されたアパルトヘイトと呼ばれる人種隔離政策も行われています。

アパルトヘイトにより白人、カラード、アジア人、黒人、と人種で様々な事柄を分類され、あるものは優遇され、あるものは虐げられてきたのですが、そういった背景も知っておくと本作をさらに楽しめると思います。

元ジャーナリストの監督

監督は『ラストサムライ』や『アイ・アム・サム』を手掛けたエドワード・ズウィック。

かつてジャーナリストとして政治雑誌などで活躍していた彼が、入念な現地調査やリサーチなど半年ものシナリオ作成期間を経て完成させた実話を題材にした作品です。

物語序盤でダニーが歯の詰め物の中にダイヤモンドを隠して持ち運ぶ方法も、実際に密輸業者から聞いたとコメントしています。

また、過去にシエラレオネ内戦を扱った経験があるドキュメンタリー作家のソリアス・サムラから、シエラレオネの人々の服装や動作、壁の落書きに至るまでリアルな状況を学んだとのことです。

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ハマり役のキャスト達

キャストも、もし別の人ならどうなっていただろう?と考えても全く考えつかないほどみんなハマり役で凄い!

主演のレオナルド・ディカプリオが演じるのは、南アフリカ防衛軍の元傭兵で現在は紛争地域のダイヤモンドを密輸する男。

このキャラクターは実在しませんが、監督は実際に南アフリカ防衛軍の傭兵に取材してキャラクター像を創り上げたとのこと。

作中で現地人と握手するシーンがあるのですが、しっかり西アフリカ特有の握手の仕方をしていたりと、そういった言われないと気づかないような細かい点も完璧に演じています。

それに脇を固めるキャストも素晴らしい。

ジャイモン・フンスーはこの作品でアカデミー助演男優賞候補に選ばれ、ジェニファー・コネリーも過去にゴールデングローブ賞や数々の助演女優賞に輝いている演技派女優です。

 
 
 
 
 
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ジェニファー・コネリーと言えば、同じく実話が題材の映画『ビューティフル・マインド』でも、素敵な演技をしているのでぜひご覧ください!

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ピンクダイヤの価値

本作で登場するピンクダイヤの価値は現実でも凄まじく2018年11月13日には18.96カラット(3792㎎)のものが約57億円で落札されたそうです。

質量の関係などでハッキリとした大きさは不明ですが、10円玉が4400㎎という事を考えるとなんとなく大きさがイメージできると思います。

落札したのはアメリカの「ハリー・ウィンストン」。

元々は約100年前に南アフリカで採掘されダイヤモンド最大手企業のデビアスの経営者だったオッペンハイマー一家が所有していたとのこと。

イギリスの自治領だった100年前の南アフリカの現地住民の様々な思いが、このピンクダイヤには深く染み込んでいるのかもしれません。。。

余談ですが

作中でレオナルド・ディカプリオ演じるアーチャーは

ローデシア出身だと発言しており、ローデシアはデビアスの創業者セシル・ローズが占領していた土地でもあります。

ちなみに、ディカプリオは実話ベースの『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』でも主演を務めています。

『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』映画(ネタバレなし)‐実話がモデルのヒューマンドラマ。

こんな人に特におすすめ

  • 時間を忘れて映画を楽しみたい
  • 教養や知識を増やしたい
  • アフリカのリアルな一面を知りたい
  • ダイヤモンドを買うか迷っている

『ブラッド・ダイヤモンド』の評価

などなど

他にもネットで調べると色んな人がおすすめしています。

ぜひ、あなたも『ブラッド・ダイヤモンド』を楽しまれてくださいね。

実話を題材にした物語にきっと心が動かされると思います。

それと、ディカプリオでしたらコチラの記事もおすすめです!

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WRITERこの記事をかいた人

『おすすめ映画メモ』編集長のエリです。 評論家ではないので難しいことは気にせずに気楽な感じで楽しんでいってくださいね。