おすすめのヒューマンドラマ映画『アメリカン・ヒストリーX』のご紹介です。(ネタバレなし)
「憎しみとは、耐えがたいほど重い荷物。怒りに身を任せるには人生は短すぎる」
ある兄弟の生き様を通しアメリカの人種差別問題をリアルに描いた、実話に近い衝撃作。
作品情報 | |
監督 トニー・ケイ 脚本 デヴィッド・マッケンナ 公開 2000年(日本) 上映時間 119分 |
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主なキャスト | |
エドワード・ノートン | 過激な白人至上主義者デレク |
エドワード・ファーロング | 兄の影響を受けて育ったデレクの弟ダニー |
エイヴリー・ブルックス | ダニーが通う学校の校長 |
ガイ・トリー | デレクが刑務所で出会った黒人の男性 |
『アメリカン・ヒストリーX』の見どころと実際にあった実話
【あらすじ】
主人公のデレクは白人至上主義団体のリーダー的存在。
黒人を忌み嫌う彼は、ある日怒りに身を任せ二人の黒人を殺害してしまう。
刑務所行きとなったデレク。
兄デレクがいない間に、弟ダニーは彼を崇拝し白人至上主義にすっかり染まってしまう。
そして時が経ち、遂にデレクは出所へ。
そこには以前とは別人のように穏やかなデレクがいた。
刑務所内の何がデレクを変えたのか。。。
物語は次第に白人と黒人の抗争へと発展し加速していく。
予告動画です。
字幕なしですが雰囲気だけでもどうぞ。
物語のテーマ
おすすめのヒューマンドラマ映画『アメリカン・ヒストリーX』ですが
かなりヘビーな内容で楽しいというより考えさせられるといった内容です。
人種問題を扱っているので内容が難しかったり、退屈そうだと思う人もいると思いますが、全然そんなことなく予備知識がなくても理解できて夢中になれるので安心してくださいね。
ちなみに、本作の題名の『アメリカン・ヒストリーX』という意味は、弟ダニーが兄について分析して書いたレポートの名前です。
なぜ兄が白人至上主義に傾倒していったのか?
その結果、家族や自分はどんな被害や影響を受けたのか?
兄の考え方はどのように変わったのか?
今後どうすればいいのか?
といったことが分析されており、そのまま本作のテーマともなっています。
役作りで13㎏増量
エドワード・ノートンの演技も凄く良いですし、彼はこの役作りのために筋トレをして体重を約13㎏も増やしたそうですよ。
そんな彼の鍛え抜かれた筋肉も必見です! それと実は彼、身長は183cmもあるみたいですよ。
他の俳優さんが大きすぎるせいか、もっと小柄だと思ってましたから驚きです。
他にも、彼はデレクを演じるにあたり、なぜ一部の人々が依然として白人至上主義なのか? その要因について経済的、社会的、政治的な面から学んだとのことです。
ちなみに、彼が人食い博士のハンバル・レクターと対決するサスペンス映画『レッド・ドラゴン』も面白いのでおすすめです!
弟のダニーを演じているエドワード・ファーロングですが、実は彼『ターミネーター2』の少年ジョン・コナーなんです。
丸坊主にしていることもあって最初は全然気づきませんでした(笑)
デレクによく似た実在する人物
本作の登場人物などは実話ではないのですが、この映画のように刑務所(拘置所)での生活をキッカケに考え方を改める人も現実にいます。
1999年に強盗罪で有罪判決を受け、マイアミの連邦拘置所に収監されたアンジェラ・キングもその一人です。
彼女は10代の頃から過激なグループに所属していてバリバリの白人至上主義者でした。
しかし、拘置所でのある黒人女性との出会いが彼女の信条を一変させました。
最初に友情を築いたこの黒人女性を皮切りに友達の輪はさらに広がり、彼女はこれまでの自分の行いを悔い改めるようになったそうです。
出所後、彼女は外部のサポートを受けなんとか無事にグループを抜けることができ、現在は同じような境遇の人を助ける非営利団体「ライフ・アフター・ヘイト」で活動しています。
他にも、本作の主人公のデレクと同じく、白人至上主義グループの若きリーダーだったフランク・ミーインクも考え方を改めたうちの一人です。
彼は19歳で刑務所に出入りするようになってから、そこでの黒人たちとのふれあいが彼の心を変化させました。
そんな彼も現在アンジェラ・キングと同じく「ライフ・アフター・ヘイト」で活動しています。
このように昔の生き方を変えられる人がいる一方で、悲しいニュースもあります。
2017年にはイスラム教に改宗したばかりの元白人至上主義の男性が、かつての白人至上主義仲間でルーメイトだった二人を殺害し逮捕されるという事件がありました。
動機は改宗したことをバカにされたためだったとのことです。。。 ちなみに、白人至上主義グループに多くみられる特徴がこちら。
- 黒人やユダヤ人、同性愛者などを激しく嫌悪している
- スキンヘッドを象徴としている
- 鍵十字などヒトラーを崇拝するデザインの他にバイキングなど北欧神話にちなんだタトゥーを入れることが多い
- 脱会する時は深刻な反動、暴力による報復を伴うことが多い。
白人至上主義つながりで、ナチス政権の少年を描いた『ジョジョ・ラビット』も凄く名作なので、ぜひご覧ください!
『アメリカン・ヒストリーX』の評価
アメリカンヒストリーX良過ぎやろ・・・これ良過ぎやろ・・・争っちゃダメだよ。人種の争いカッコ悪いよ。これはアカデミーorara賞あげるわ。これは良過ぎやわ。
— お食自くん。 (@orarara) 2010年3月22日
アメリカンヒストリーXを朝から見た。鋭く、深い内容だったように思う。 感動し、考えさせられた。Wエドワードは最高だった。 だけど、朝から見る映画ではなかったな。 なんだか、重いぜ。
— 鯨井康介 (@kujiraikosuke) 2014年10月25日
映画って楽しい!って映画好きの扉を開いたばかりの時に観たのです「アメリカン・ヒストリーX」
平和ボケほやほやの高校2年でその映画を観た私は衝撃を受け、圧倒され、打ちのめされ、エンドロールが終わりDVDが停止するまで涙が止まらなかったのでした。
あの頃だったからこそ心に刻みこまれた作品。— りーん@映画垢 (@riiin145k) May 10, 2020
などなど ネットで調べると他のみなさんも、重たい内容ですが心に残る映画だとコメントしています。
ぜひ、あなたも『アメリカン・ヒストリーX』を楽しまれてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。