おすすめのサスペンス映画『ブラッド・スローン』のご紹介です。(ネタバレなし)
「生き残るには、やるしかなかった」
刑務所内の実話とエリートビジネスマンの人生の変化を描いたサスペンス。
作品情報 | |
監督・脚本 リック・ローマン・ウォー 公開 2017年 上映時間 121分 |
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主なキャスト | |
ニコライ・コスター=ワルドー | 刑務所に入れられたことで人生が一転した男ジェイコブ |
レイク・ベル | ジェイコブの妻 |
ジョン・バーンサル | ジェイコブより一足早く出所したギャングの男 |
エモリー・コーエン | 大量の銃を横領した元軍人の青年 |
ホルト・マッキャラニー | 看守すら味方につける囚人の大ボス |
オマリ・ハードウィック | やり手の捜査官エド |
『ブラッド・スローン』のあらすじと見どころ
【あらすじ】
愛する妻と息子と3人で理想の人生をおくっていたジェイコブ。
しかし、彼の人生はある夜を境に一変してしまう。
交通事故の加害者として逮捕された彼は、ギャングたちと同じ刑務所へ。
いつしか身も心もギャングに染まっていくジェイコブ。
残された家族を守るために彼がとった行動とは・・・
こちらが予告動画です。
刑務所の内情はほぼ実話
『ブラッド・スローン』で描かれる刑務所の内情は、ほぼ実話だと言われています。
監督のリック・ローマン・ウォーは2008年にも刑務所を題材にした映画『フェロン』を手掛けており、刑務所の内情を知るためにボランティアの仮釈放エージェントとしても活動していました。
映画監督にはよくある、リアルさを追求して◯◯実践をやってみた!的なことが彼にもありました。笑
本作でも実際の刑務所で撮影を行い、エキストラには本物のギャングや前科者も出演しています。
また、俳優陣を受刑者たちと交流させたりもしてリアルさをとことん追求。
主人公のジェイコブを演じたニコライ・コスター=ワルドーは、後のインタビューで以下のように語っています。
今日の刑務所のシステムはとてもメチャクチャです。
映画のキャッチフレーズで「一部の犯罪者は刑務所で作られている」とありますが、
これは悲しいことに事実で、受刑者の約70%が出所後に再犯し、中にはさらに凶悪な犯罪に手を染めてる人だっている。
ギャングの受刑者を演じたジョン・バーンサルも、同じように役作りの一環として刑務所を何度も訪ねます。
彼は、監督を通して知り合った受刑者の一人ととても仲良くなり、本作での会話などは彼から取り入れたものが大半なんだとか。
残念ながら、この受刑者は出所後に再び投獄されたそうで、とことんの”悪”みたいですが…
また、ジョン・バーンサルは、犯罪者が無能なバカといった描写を嫌がったそう。
受刑者と親密になり、お互いの本当の気持ちを知ることで、そんな気持ちが湧き上がってきたのでしょうか。
ちなみに、刑務所の受刑者への聞き取り調査で、犯罪者の心理を巧みに描いた映画『ヒート』も傑作なのでおすすめです!
刑務所内で外の世界の犯罪を指示するギャング
本作では懲罰房に入れられてもなお、15年間にわたり外の世界での犯罪を指示している囚人の大ボスが登場します。
こういう点も人物こそ違うものの、ある意味では実話なんだそう。
有名なところでいうとアーリアン・ブラザーフッド(通称AB)というギャンググループ。
このABはおもに白人で構成されているグループで、そのメンバーは刑務所内だけでなく外の世界にも多くいるので、当然のように外の世界の犯罪行為にも関与しています。
「ブラッドイン(殺人で加入)・ブラッドアウト(死んで脱退)」という血の掟があるんだとか…
見どころと原題の意味
本作の見どころは何といっても主人公ジェイコブの生きざまです。
刑務所にいれられたジェイコブが、さらりとスーツを着こなす品行方正なイケメンから、鍛え抜かれた筋肉とタトゥーだらけの髭面ジェイコブに様変わり。
こんなに一変するなんて「ありえへん」と思いがちですが、アメリカの刑務所事情を考えると誰にでも起こりうることだったりします。
そう思うと、ホント感慨深い内容。
ある時を境にこれまでの関わってきた家族や友人、仕事や普段の生活まで、景色がガラリと変わります。
まるで別人として生きていく固い決心は、ズバリ愛する家族のため!
ここはやっぱ、ジーンときます。 会わずに触れずに、陰ながら100%家族を守る。
そんなジェイコブ、カッチョえーです。 あれよあれよと転落していく、”一人の男の人生”がたった2時間でまるわかり。
そう考えると、短時間でよくまとめたなぁと感心したりもしました。
余談ですが… この監督の作品、なぜか邦題がダサいと言われがち汗
例えば
- 『オーバー・ドライブ』原題:ス二ッチ(密告者)
- 『ブラッド・スローン』原題:Shot Caller(ショット コーラー)
監督は一切悪くないんですが、タイトルだけでは…視聴者からの喰いつきが期待できそうにないものばかりで、チョイ残念。
ちなみに、ショットコーラーの意味ですが、ショット(銃弾・計画)をコール(指示)する人ということで、ギャングのリーダーを意味する刑務所のスラング。
邦題は、主人公演じたニコライ・コスター=ワルドーの名を一躍有名にした大人気海外ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ(王座)」を意識したものだそう。
- ギャングものが好き
- 感慨深い内容が観たい
- 男の中の男作品が観たい
『ブラッド・スローン』の評価
プライムで「ブラッド・スローン」を観た。
ホワイトカラーなエリートがギャングに堕ちていくお話。
派手さはないが(アクションは一応あるけど)、重厚なストーリーでよかった。
特筆すべき点としては、カッコいい髭を生やしたおっさんが沢山でてくるので、ついつい髭に目が言ってしまった。— ザナフ (@ZnafG) August 18, 2019
「ブラッド・スローン」という映画を観た。主演俳優も監督も知らない人。Amazonプライムのオススメに従っただけだけど、物凄く良作。「刑務所が舞台の脱獄モノかな?」とか思ってたけど、全然違う。悲しくなるほどの家族モノ映画。なんなら途中で泣いた。
— Disk (@diskstk) May 18, 2019
『ブラッド・スローン』という映画
を見た。素晴らしい。主演はゲースロのジェイミー・ラニスター役ニコライ・コスター=ワルドー。真面目な男が刑務所に入ることになり生き抜く過程で成り上がってしまう。少しプリズナーズトレーニングぽいものも見られる。刑務所ノワールの傑作だ。— 狸穴 茶寅次郎 手洗い励行 (@sanchatogo) August 6, 2018
ぜひ、あなたも『ブラッド・スローン』を楽しまれてくださいね。 最後までお読みいただきありがとうございました。