おすすめのサスペンス映画『永遠に僕のもの』のご紹介です。(ネタバレなし)
「堕ちる。」
犯罪史に残る連続殺人犯の青年、カルロス・ロブレド・プッチの実話をモデルにした話題作。
作品情報 | |
監督 ルイス・オルテガ 脚本 セルヒオ・オルギン ルイス・オルテガ ロドルフォ・パラシオス 公開 2019年(日本) 上映時間 118分 |
|
主なキャスト | |
ロレンソ・フェロ | 美しく凶悪な17歳の青年カルリートス |
チノ・ダリン | カルリートスの同級生ラモン |
ダニエル・ファネゴ | ラモンの父で犯罪で生計を立てているホセ |
メルセデス・モラーン | ホセの妻アナ |
『永遠に僕のもの』は実話をもとにした映画
おすすめのサスペンス映画『永遠に僕のもの』ですが
決していい人間とは言えないのに、天使のような主人公にとにかく魅入られる映画です。
邪悪なはずなのに、とても無垢で純粋、そして破滅に向かっていく様子は、見る者を捕らえて離しません。
【あらすじ】
「みんなどうかしてる もっと自由に生きられるのに」
17歳の青年カルリートスは、こうつぶやきながら今日も他人の家に盗みに入る。
そんな彼の将来を心配して注意する父と母。
両親を善良な人と認めながらも盗みを続けるカルリートス。
やがて、彼は転校先の学校でラモンという青年と仲良くなる。
しかし、この出会いがカルリートスの犯罪をどんどんエスカレートさせてしまう…
こちらが予告動画です。
主役は実在する犯罪者
本作で、ロレンソ・フェロ演じる主人公カルリートスは、実在する凶悪犯、カルロス・ロブレド・プッチがモデルになっています。
彼は、その美しい容姿から「死の天使」および「黒い天使」なんて呼ばれていました。 こちらが実際の写真。
確かに美しい巻き毛に端正な顔立ちは、映画に出てくるカルリートスそのもののようです。 カルロス・ロブレド・プッチは11件の殺人などで、終身刑を言い渡され、現在も拘留されています。
本作の中で主人公カルリートスの踏み込んだ心理描写は明かされていません。
彼がなぜ、劇中で恐ろしい行為に及んだのか。 その本質は、観客の誰にも理解することはできないのです。
この作品を見た当初は、「彼には消し去れない心の闇があるんじゃないだろうか…」 「彼をねじ曲げる何かがあったに違いない…」このように感じていました。
でも、そうじゃないんです。 今、もう一度鑑賞し直して理解することができました。
主人公をねじ曲げるような事象も、心の闇も存在しないという事です。
カルリートスは、多くの凶悪犯と同じように、根本的な思考の方法が違ったのです。
彼の常に先の読めない態度と狂気は、私たちを驚かせ、不安にさせ、夢中にさせてしまいます。 この映画は、そんな狂気にどっぷりつかれる映画であると思います!
本作のストーリーはオリジナル要素も多く、全てが実話ではありません。
それと、実際の殺人犯を描いた『チェイサー』もおすすめなのでぜひご覧ください!
華やかな映画デビューをした天才ロレンソ・フェロ
本作で注目すべきはやっぱり主人公・カルリートス!映画のポスターや表紙にもなっていますね。
そんなカルリートスを演じたのは、本作で映画デビューを果たした、ロレンソ・フェロです。 見事に、美しき凶悪犯・カルリートスを演じきりましたね。
彼の巻き毛や、挑発的な表情は多くの人を惹きつけてやまないと思います。
ロレンソ・フェロは、この『永遠に僕のもの』がデビュー作であったにも関わらず、シアトル国際映画祭、シルバーコンドルアワードなど、多くの賞に俳優としてノミネート・受賞しました。
これからの活躍が、本当に楽しみに俳優さんですね!
この投稿をInstagramで見る
そんな彼ですが、実は俳優としての才能は父親譲りのものなんです!
ロレンソ・フェロの父、ラファエル・フェロも俳優をしていました。
俳優業を営む父の元で育ったため、ロレンソは、映画の世界に幼少期から触れていたようです
1日3本の映画を観せてもらえるように父に頼み込み、6歳の時にはすでに『キル・ビル』を観たそうです! 6歳で『キル・ビル』とは…まさに英才教育のようですね。
そんな彼は、監督や俳優としても活躍する劇作家のアレハンドロ・カタランの演劇ワークショップの生徒として、演技について学んだそうです!
若いうちから演技の勉強に打ち込んでいたんですね。 それを持ってしての、本作での彼の演技だと思うと本当に圧巻です。
「死の天使」とも呼ばれたカルロス・ロブレド・プッチを演じるに至っては、理解に苦しむ点が、たくさんあったに違いないと思います。
もちろん、凶悪殺人犯でない人は、凶悪殺人犯の気持ちは理解できませんからね。
それでもロレンソはカルリートスに対して、「彼はとてもシンプルですが、それ以上に複雑な人物」と述べています。
この投稿をInstagramで見る
シンプルで尚且つ複雑なカルリートスの心理状態を受け入れられたロレンソだからこそ、この役をここまでのクオリティで完成させれたのだと思います。
主演のロレンソ・フェロはじめ、すべての出演者の方の演技に脱帽の一本です。
- とにかく美しい物が好きな人
- 実話に基づいた話が好きな人
- ピカレスクロマンの物語(悪役視点)が好きな人
- どっぷりと世界観に引き込まれたい人
『永遠に僕のもの』の評価
“永遠に僕のもの”シネマクレール。二回目。天使の顔を持ちながら、欲望に余りにも正直に、悪魔の様な所業を繰り返す、ロレンソ・フェロ演じる、カルリートス。その行いに違和感を感じながらも、彼の魅力に抗えないって事に、監督を務めた、ルイス・オルテガの力量に、称賛を贈らずにいられない作品。
— 常山の住職 (@CinemaCLAIRfan) August 25, 2019
『永遠に僕のもの』
カルリートスの魅力にやられました。ぷっくりした唇にむっちりした身体。匂い立つような色気。息を吐くように嘘をつき罪を犯す無邪気な笑顔。一欠片も共感できないのに目が離せない。人として大切な何かが欠落した彼は果たして自由なのか孤独なのか。ラストが何故だか切なかった。— だま (@dama_1228) August 24, 2019
『永遠に僕のもの』
お、お、お耽美〜!!
気ままで無邪気、その純粋さで殺人や強盗にまでもやってのけるから、本当に天使みたいな悪魔
後で調べたけど、モデルになった人物による犯罪が、映画よりもえげつなかった😨
音楽と色彩がすごく好みやった! pic.twitter.com/7xTPWTBK6h— ぜろ (@zero__movie) July 29, 2021
ぜひ、あなたも『永遠に僕のもの』を楽しまれてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。