おすすめのホラー映画『ミザリー』のご紹介です。(ネタバレなし)
「あなたが殺したミザリーを 私が生きかえらせてあげる」
巨匠スティーブン・キング原作で贈る、映画史に残る名作ホラー。
作品情報 | |
監督 ロブ・ライナー 脚本 ウィリアム・ゴールドマン 原作 スティーヴン・キング 公開 1991年2月16日(日本) 上映時間 108分 |
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主なキャスト | |
キャシー・ベイツ | 中年女性アニー・ウィルクス |
ジェームズ・カーン | 小説作家ポール・シェルダン |
リチャード・ファーンズワース | 田舎町の保安官バスター |
フランシス・スターンハーゲン | 保安官の妻ヴァージニア |
ローレン・バコール | ポールの出版仲介者マーシャ・シンデル |
『ミザリー』は実話?
結論からいうと本作は実話ではありません。
しかし、原作の小説が発表された1987年はアメリカでストーカーによる犯罪が社会問題として注目されていたという背景があるので、あながちあり得ない話ではなさそうです。
詳しくは後述しますが、まずは本作のあらすじをご覧ください。
【あらすじ】
人気ロマンス小説『ミザリー』の売れっ子作家ポール
最終章を書き上げる決心をしたポールは、いつもの雪山のロッジへ籠り、執筆に集中していました。
ようやく書き上げ、ロッジを後にし、ニューヨークへ戻ろうと車を走らせますが、大量の積雪にタイヤが取られ、車は大破。
ポールは意識をなくしていきます。
奇跡的に目を覚ますポール。
寝かされているベッドから見えるのは見覚えのない室内と、こちらを見つめる見知らぬ女性・・・
起き上がろうとするポールですが、彼の身体は数か所の骨折と両足の複雑骨折のため微動だにしませんでした。
大怪我の自分を親切に看病してくれる女性にポールは感謝の気持ちを伝えます。
献身的に看病する女性はアニー。
聞けば彼女は『ミザリー』の世界一の大ファンと言い、作家ポールにも絶大的な信頼を寄せているとのこと。
こんなにも好きな小説を書いてくれた作家が目の前にいる。さらに、書き上げたばかりの最終章の原稿も読ませてもらえる・・・
アニーにとっては夢のような時間だったのです。 しかしそれはアニーの思い通りに事が運べばの話し。 もしそうじゃなかった場合、、、
猟奇的に豹変する彼女をあなたは直視できますか?
予告動画です。
(字幕なしですが雰囲気はわかると思います)
実話でもおかしくない時代背景
本作が実話じゃないか?と言われる理由の1つとして原作発表時の時代背景があります。
現在でもアニーのような人が実際にいたらヤバいですけど、当時のアメリカではストーカーが社会問題だったんだとか。。。
以下がストーカーによる実際の事件です。
レーガン大統領暗殺未遂事件
1981年にロナルド・レーガン大統領と側近3人が銃撃されたこの事件ですが、逮捕された犯人の名はジョン・ヒンクリー。
彼はハリウッド女優・ジョディ・フォスターのストーカーでした。
彼女に一目惚れした、ジョン・ヒンクリーは当時の大統領を殺せばジョディ・フォスターに関心を持ってもらえると勝手に妄想し、犯行に及んだと動機を明らかにしています。
テレサ・サルダナ刺傷事件
当時27歳だったハリウッド女優テレサ・サルダナが熱狂的なファンの男性に10か所刺され、瀕死の状態に陥った事件です。
犯人の男は私立探偵への依頼や、業界関係者を装い、彼女の自宅住所をつきとめ犯行に及びました。
彼はサルダナを「自分を天国へ連れていく天使」で神の使命だったと動機を明らかにしています。
このような事件が本作の原作小説が1987年に発表される前の1982年に起きています。 そして、1988年、 またしてもストーカーによる凶悪犯罪が起きてしまいます。
ローラ・ブラック ストーカー事件
カリフォルニア州の会社員リチャード・ファーレーは、同社のローラ・ブラックに好意を持ち、ストーカーの末に会社を解雇されました。
しかしこのことからファーレーの態度はやがて脅迫に。命の危険を感じたローラは裁判にて禁止命令を要求。
そして、まさに永久的に禁止命令を出されるか否かの審議が行われる前日。
ファーレーは1100発もの弾丸を引っ提げ、ローラが勤務する会社へ乗り込み、社員ら10名を銃撃してしまいます。
ローラは銃弾を浴びながらも一命をとり止めましたが、7名が死亡するという悲惨な結果を招いたのです。
その後ファーレーには死刑が言い渡されました。 このような数々のストーカー事件も相まって、当初から実話では?と話題になったのではと思われます。
モデルとなった死の看護師
また、アニーにはモデルがいるのではとの噂もあります。
それは、1970年代から1980年代にかけて、60人余りの乳幼児を殺害したとして、計159年もの刑期が科せられているジェニーン・アン・ジョーンズ准看護師です。
彼女もアニーと同じ看護師という職業で、なおかつアニーはアンの愛称ですし、劇中にもこの事件に関する新聞記事が出ています。
これらのことから彼女がモデルではないかと言われていますが、公式な発表はされていません。
『ミザリー』の感想
携帯もFAXもパソコンもない完全密室の二人だけの空間。
優しかったその人の真の姿が露わになったとき、どこまで冷静を保てますか? 開始直後からずーーっと引き込まれっぱなしで、ベタですが一秒たりとも目が離せません。
何と言っても、内容が単純で分かりやすい! でも、言葉にできない怖さがずっと残るんです。
ジワジワ迫ってくる恐怖感が好みの方は必見。 多くのホラーは観てきてますが、この作品は今でも上位にキープされてます。
キャシー・ベイツの演技は圧巻
本作でアカデミー主演女優賞に輝いたキャシー・ベイツの震撼させる演技は圧巻。
ほんとに実在するんじゃないかなと思わせる、親近感湧く普通のオバチャンから情緒不安定な戦慄のサイコに変わっていくさまが見事です!
かなり昔の作品ですが、今でも錆びつかない名作だと思います。
原作者のスティーヴン・キング本人も「自作の中の最高の悪役はアニーだ」と語っています。
スティーヴンが完全オリジナルで書き上げたのか、または上記の猟奇的な事件の実話を参考に書いたのかは不明ですが。悪役1位にアニーを挙げるのも納得です。
それと、スティーヴン・キング原作の『シャイニング』や『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』も傑作なのでぜひご覧ください!
舞台版はあの有名俳優
また、2015年にはニューヨークで本作の舞台化がされ、ハリウッド俳優ブルース・ウィリスが熱演しています。
いつもはアクションが主流なブルースですが、ベッドに寝たきり両足骨折で、サイコと化す女性と対峙するなんて、その緊迫の世界観を是非観たかったです。
アクション無しのブルースも新鮮ですよね。 ちなみに日本でも2007年に渡辺えりさん、小日向文世さんの二人だけの舞台化がありました。
アニーの体型といい、声の迫力といい、渡辺さんにドハマりすぎです。 実力派の二人が舞台上で観客の全員を心底恐怖へと導いていきます。
- ワーキャー、ガタンバタンみたいな音で怖がらしたり叫ぶような怖さは苦手
- 密室系が好き
- 心理的に怖さを感じる映画が好き
- 登場人物の個性が豊富な映画が好き
『ミザリー』の評価
ようやく、あの名作『ミザリー』を見た。
見よう見ようと思いつつも、スプラッタ描写とはまた違う、現実味のある痛い描写がありそうだなとか、展開自体は読めるからまだいいかとか、あれこれ理由を付けては見るのを先送りにしていた(笑)
はい、大間違いでした。メチャメチャ面白かったです。
— 緋里阿 純 (@acorohgreat) January 30, 2020
やっぱりミザリーは名作
アニーの狂った感じがいい
あんなんトラウマになるに決まってるw— 速すぎるタバスコ🐙 (@tabasco_spoon) December 19, 2019
ホラー映画ってほとんど見た事ないけど、ほとんどの作品が突然現れるビックリ系とかで、そら現れて危害加えるモンスターみたいなんは怖いけど、ありえへんしとか思って怖さはあんまり残れへんかなぁ…
1番怖かったのは「ミザリー」
これはありうるし、実際あるやろ!?って思った😅😅😅 pic.twitter.com/QWKfagTifG
— ひではち(本名:河合秀樹) (@hide_cerezo) January 31, 2020
ぜひ、あなたも『ミザリー』を楽しまれてくださいね。 最後までお読みいただきありがとうございました。