『グラン・トリノ』映画-イーストウッドの集大成とも呼べるヒューマンドラマ。

グラン・トリノ

おすすめヒューマンドラマ映画『グラン・トリノ』のご紹介です。(ネタバレなし)

「男の人生は、最後で決まる。」

クリント・イーストウッド集大成作品とも呼び声高い、心に残る感動作。

作品情報
監督
クリント・イーストウッド
脚本
ニック・シェンク
原案
デヴィッド・ジョハンソン
ニック・シェンク
公開
2009年(日本)
上映時間
117分
主なキャスト
クリント・イーストウッド 妻に先立たれ孤独な退役軍人ウォルト・コワルスキー
ビー・ヴァン ウォルトの隣に住むモン族の気弱な少年タオ
アーニー・ハー 気が強くしっかり者のモン族の女性スー
(タオの姉)
ドゥア・モーア タオとスーの従兄でギャング
タオを悪の道へ誘う男、通称スパイダー
クリストファー・カーリー ウォルトの心の平安を案じるヤノビッチ神父

『グラン・トリノ』のあらすじと感想

 

あらすじ

物語の舞台は、白人の多くが去り移民の街となったデトロイト。

頑固で差別主義者のウォルトは、息子夫婦や孫に疎まれ、隣に越してきた移民のモン族にも不満を抱く毎日を過ごしていた。

遺産のことばかりを気にする息子夫婦と礼儀作法の欠片もない孫娘。

そして隣には、差別対象であるモン族。

彼にとっては全てが気に入らなかった。

そんなある日、モン族の少年が彼の愛車グラン・トリノを盗もうとする。

この事件を境に、彼はモン族一家との交流を深めるのだが・・・

 

予告動画です

 

 

おすすめのヒューマンドラマ映画『グラン・トリノ』の感想を一言でいうと、

多民族国家アメリカでの、肌の色や血縁などの人種を超え「大切な人を守り抜く」という心意気を描いた、映画人クリント・イーストウッドの集大成作品です。

クリント・イーストウッドと言えば、監督・主演すべてをこなすアメリカの代表的な名俳優ですが、彼が79歳になるその年、

まさに21作品目となる本作は、彼にとってきっと最後の作品になると本人が語っています。

しかしアカデミー賞4冠達成の『ミリオンダラー・ベイビー』でも監督・主演は最後になる作品だと囁かれていましたが、それから4年ぶりに公開されるのが本作です。

90歳前の今もなお、カメラの前に立ち続ける理由は不明ですが、大勢のファンからすると嬉しいかぎりです。

彼は本作の主人公ウォルトのことを、

気難しく、家族や孫とも疎遠がちで、すごく偏見に凝固しているけど、色んな人との関わり合いで、そこから抜け出そうとする人間だと語っています。

そして、彼に似たような感情を自分にもたくさん持っていることに気付いてもらえると思うとインタビューで答えています。

演じる主人公ウォルトは、朝鮮戦争に従軍した経験をもち、過去作の『ダーティハリー』『ミリオンダラー・ベイビー』で演じたキャラクター同様に、言葉では言い尽くせない怒りや鬱屈を抱え、複雑な感情が入り混じる役どころですから、それ故の言葉だったのでしょうか。

しかし、そんなウォルトの閉ざされた心は、隣に越してきたアジア系モン一族のロー家族によって徐々に開かれていくのです。

彼らの家に招かれるウォルトは、初めてモン族文化に触れました。

まったくの未知の世界だったモン族文化ですが、家族の娘に詳しく教えてもらい

ロー家族の一人、おとなしい少年タオとも徐々に交流をもつウォルトは、「これこそがアメリカだぜ」と言わんばかりに、生活の仕方やコミュニケーションの取り方、または働き方をその少年に教えてあげるんです。

まだまだたくさんの「アメリカってやつ」をモン族の家族に教えてあげるウォルト。

以前のような堅物で偏屈な頑固おやじではなくなってくるんですよね。

自分の家族はもちろん、孫までたくさんいるウォルトですが、まったく疎遠なので、隣の家族との交流によって、本来の優しさ、人情などを取り戻していきます。

このあたりのイーストウッドの表情や動きがなんとも言えないほど素晴らしく上手です。

またタイトルにもある『グラントリノ』は、70年代の輝かしいアメ車業界の代名詞のようなフォード社の車のことです。

この車をこよなく愛するウォルトですが、この車こそがキーワードとなってきます。

車にスポットを当てるところも、イーストウッドならではのセンスが伺えました。

そして本作をより一層盛り上げるのが、エンディングに流れる主題歌です。

こちらがそのMV。(本編映像付き、実際のエンディング映像とは異なります。)
 

 
歌詞の和訳を少しだけご紹介。

そっとやさしく人生は流れる

いつの間にか遠く過ぎ去った日々

そして未来…

しっかりと大地に足を踏みしめて

想いにふける

そよ風がやさしく吹き抜ける

俺のグラン・トリノを

歌い古したメロディーのように

エンジン音に重なる苦い夢

俺のハートが宿るグラン・トリノ

孤独なリズムを刻む車

夜を通して

孤独なリズムを刻む車

夜を通して

実はミュージシャンになりたかったイーストウッド。

映画の曲にも毎回かなりの力の入れようだとか。

ベーシストで作曲家の息子カイルは、父である彼の全作品の音楽に関わり、本作の曲ももちろん担当します。

また作詞担当は、20代という若さの歌手ジェイミー・カラム。

実際に、音楽を通じて仲良くなった二人は、まるでモン族の少年タオとウォルトの関係を見てるようだったと言われています。

感動エンディングでは、主題歌をイーストウッドが歌ってたこともビックリでした。

ミュージシャンになりたかったという彼なら、主題歌の参加も納得ですね。

ただ、彼の歌声は、最初の部分(約1分間)だけで後は作詞をしたジェイミー・カラムの歌声でした。でも貴重な歌声が聴けて喜んだ観客も多かったのでは。

いつも表情をあまり派手に変えないイーストウッドですが、その辺も汲み取り、ほどよく哀愁と温情が滲みでて、ラストではお約束の涙が止まらないといった、最高のヒューマンドラマです。

男性なら「こんな男になりたい」と思わせる映画ではないでしょうか。

残りの人生を模索しながら不器用に生きる老いた男が、大切な人を守るために命をかける。

憧れを抱く方も多いのでは。

感慨深い内容に号泣・・・しばらくの間感動で動けませんでした。

そして、この映画の特徴の一つ、有名な俳優さん女優さんは出てこないんです。

主演のイーストウッドだけが唯一の有名人。

逆にいうと、演者さんに頼らずとも、作品の内容だけで勝負できる作品だからでしょうか。

ただ単に悲しみ・怒りと言った映画ではなく、心のずっと奥の方でざわつく映画。

なので、受け取り方に個人差があるとも思われます、人に説明するのもかなりムズイと思われます。

ですが、今後も記憶に残る一本を増やしたいと思われる方に是非おすすめです。

こんな人に特におすすめ

  • 内容重視の方
  • ながら見せず集中して終わりまで鑑賞できる方
  • 派手な演出が苦手な方
  • 複雑な内容は苦手
  • 心情的な映画が好き
  • 記憶にずっと残る映画が観たい

最後に本作のネット上の評価をご紹介して締めさせていただきます。

『グラン・トリノ』の評価

今回、おすすめのヒューマンドラマ映画『グラン・トリノ』をご紹介させていただきましたが、もし少しでも興味が湧いたら是非ご自身の目で映画をご覧になられてくださいね。

何度も観れちゃうので是非お楽しみください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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WRITERこの記事をかいた人

ライターの「ittokeena」です。美容師や飲食店経営を経て、現在は専業主婦の傍らライターとして活動しています。