おすすめの恋愛映画『キャロル』のご紹介です。(ネタバレなし)
「偽りの自分を捨て 走り出すふたり」
禁じられた愛を描いたカルト的人気小説を、50年代のファッションに身を包んだ豪華キャストと映像美で再現した感動作。
作品情報 | |
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監督 トッド・ヘインズ 脚本 フィリス・ナジー 原作 パトリシア・ハイスミス 『The Price of Salt』 公開 2016年(日本) 上映時間 118分 |
主なキャスト | |
ケイト・ブランシェット | 裕福で美しい大人の女性キャロル・エアード |
ルーニー・マーラ | まだあどけなさが残る若い女性テレーズ | カイル・チャンドラー | キャロルの夫、ハージ・エアード |
ジェイク・レイシー | テレーズの彼氏 |
『キャロル』のあらすじと注目のファッション
舞台は1950年代のニューヨーク。
ある日、百貨店で働くテレーズのもとに1人の美しい女性が現れた。
女性の名はキャロル。
娘へのクリスマスプレゼントを探しにきた彼女は、去り際に手袋を忘れていってしまう。
忘れ物に気づいたテレーズは、頼まれていた商品と一緒に手袋を同封して送ることに。
数日後、テレーズはキャロルからお礼にと食事に誘われるのだった。
やがて心を通わすようになるふたり。
しかし、そんなふたりの状況を周囲は好ましく思っていなかった・・・
こちらが予告動画です。
美術作品のような美しさ
1950年代のニューヨークが舞台の映画で、ルーニー・マーラとケイト・ブランシェット共演しています。
この二人が実に美しいです。
映画のどのシーンを切り取っても、美術作品のようです。
自信なさげだけど時には頑固で、とても美しいけどどこか中性的であどけなさの残るテレーズ。
華やかで妖艶でミステリアスだけど、どこか苦悩に満ちている。
そんなアンバランスさでさえも美しいキャロル。
一見正反対とも思えるこのふたりが、運命的な出会いを果たします。
50年代の華やかなファッションや、主人公の二人が「同性愛が社会的に認められない時代をどう生きたのか。」が鮮明に書き出されているところもこの映画の魅力です。
愛は衝動的で、抗うことのできない感情であることを実感できます。
素敵すぎるファッション
本作には50年代ニューヨークの素敵なファッションがたくさん登場します。
豊かな金髪に毛皮のコート、美しいドレス、そして彼女を象徴するような真っ赤なリップを纏ったケイト・ブランシェット扮するキャロルはまるで絵画です。
(なぜだかこの映画に登場する「赤」は異常に美しい。)
美しく華やかでセクシーなのに、センス良くまとまっていて彼女の気品が滲み出ているようです。

また、彼女が履いている靴にも注目です。
作中で使用されている靴は、全て40~50年代のサルヴァトーレ・フェラガモの物です。
エレガントで素晴らしい靴がたくさん登場するのでぜひチェックして欲しいです!
一方、テレーズのファッションは当時の一般的な女性を象徴しています。
チェック柄や刺繍、可愛らしいセーターなどガーリーなスタイルが特徴的です。
個人的には、彼女の眉上ぱっつんのボブカットに太めのカチューシャというスタイルがたまらなく好きです。

彼女の着こなしは、普段の服選びにも取り入れることができそうですね。
このように、本作には素敵なファッションがたくさん登場します。
視聴の際には要チェックです!
本作の衣装は実写版『シンデレラ』や『メリーポピンズ リターンズ』を担当したこともあり、過去に3度アカデミー衣装デザイン賞に輝いたサンディ・パウエルが担当しました。
パウエルはインタビューの中で、「VOGUE」や「Harper’sBAZAAR」といった高級ファッション誌を参考にしたと語っています。
そのため本作には、ラグジュアリーな毛皮のコートや美しいドレス、アクセサリーの数々が登場します。
こちらが1950年代の「VOGUE」のスタイルを紹介した動画です。
(英語ですが雰囲気は伝わると思います)
また、
物語冒頭のテレーズは、彼氏や男性にどう思われるかを気にせず、服装にあまりお金をかけない、ハイブランドを好まない人物でした。
衣装を担当したパウエルは、そのことを表現するために、当時の若者たちがよく着ていたファッションを用意しました。
しかし、そんなテレーズのファッションも、物語が進むにつれて次第に変化していきます。
彼女がどう変わったのか?
そこも見どころなのでぜひチェックしてください。
サンディ・パウエルが映画『キャロル』のファッションについて語ったインタビュー動画がこちら。
※英語です
また、同じくファッションが素晴らしい映画『アデライン 100年目の恋』もおすすめです!
実話ベースの原作
本作の原作は1952年に刊行された著者パトリシア・ハイスミスの『The Price of Salt』という作品です。
この原作は、自身も同性愛者であるパトリシアの実際の経験をもとに書かれています。
原作情報 | |
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タイトル 『The Price of Salt』(原題) 出版年 1952年(絶版) 2004年(洋書) 2015年(邦訳) 著者 パトリシア・ハイスミス |
原作でパトリシアは、ヴァージニアという裕福な既婚女性と、ミンクのコートを着た金髪の美しい女性セン夫人の二人に出会います。
この二人が、映画に登場するキャロル・エアードのモデルになっているそうです。
なんとこの二人、キャサリン・ヘプバーンにそっくりだったそうです。とっても美人ですね!
この時代は今よりもずっと同性愛者への風当たりが強く、精神疾患者と見なされ治療の対象となっていました。
また本作に登場する二人は、年齢も地位も性格も全く違います。
正反対と言っても過言ではないです。
しかし、そんな違いをも乗り越えて、恋に落ちるということの素晴らしさを私たちに教えてくれます。
こんな人に特におすすめ
- LGBTに興味がある人
- 50年代の華やかなファッションを楽しみたい人
- 美しく繊細な恋愛映画を観たい人
- レトロな雰囲気の映画が好きな人
『キャロル』の評価
今日は「キャロル」という映画をお家でみました(*´꒳`*)
全部の仕草とか、服装とか、
背景の風景とか…
全部にときめく…( ºωº )‼︎内容も好きでしたが、映像もとっても好きでした(*´꒳`*)✨
いい時間だった〜✨— 元吉茉莉花 (@jasmine_moto) November 19, 2016
キャロル観ちゃってから1950年代ファッション可愛すぎて頭から離れないから今年はテレーズになることを目標にしようと思う。とりあえず前髪を切りすぎるところから始めます。 pic.twitter.com/WEMunRc47c
— 柳英里紗 (@elisa_yanagi) February 13, 2016
キャロルが公開され今日で2年が経ったのですね。50年代のNYを舞台に無垢で透明感溢れる女性と中年の優雅な魅力たっぷりの女性の愛の物語。キャロルのような映画をどれだけ待ち侘びていたことか!!
この作品に携わった全ての方達に尊敬と感謝を…今日はキャロルを観よう! pic.twitter.com/SaCucxGHI4— イヴ (@leon_louise13) February 11, 2018
ぜひ、あなたも『キャロル』を楽しまれてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。